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野球好き大学院修了生の頭の中

栗山式オープナーを振り返る

今日は質問箱に届いていたこんな質問に答えてみようと思います。

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本気で分析したらかなり時間かかりそうなので、ちょっと簡単にやってみました。なので、データ等甘い点が至る所に見受けられる可能性がありますが、ご了承ください。

 

|目次|

 

 

 

 

1.オープナー・ショートスターターのメリット・デメリット考察

まずは、この戦術がもたらすと考えられるメリット・デメリットについて簡単に触れていきたいと思います。 

 

〈メリット〉

先発少なくても戦える

初回の失点を防ぐ効果を期待

予告先発を逆手にとった戦術としての有効性

相手が慣れる前に小刻みに継投して、「慣れ」のリスク軽減

〈デメリット〉

複数人起用する分、不調の投手が登板してしまうリスクは高まる

リリーフの更なる酷使に拍車

 

 

〈メリット〉

・先発が揃ってなくても戦える

最低でも6イニング投げてくれる先発ローテーション投手6人を揃えるというのはなかなか容易ではありません。今季の後半戦みたいなダルビッシュ投手が6人いるなら誰も困りません。先発が不足していても試合はあるわけで、その分を継投策で埋めるという目的ですね。

 

・初回の失点を防ぐ効果を期待

先発はどうしても立ち上がりが課題と言われています。特に最近はNPBでも2番につなぎ専門の打者を置くことが減り、初回に迎える打者の脅威は増しているため、それだけ失点リスクは高まります。

 

予告先発を逆手にとった戦術としての有効性

現在は予告先発制度によって、事前に先発投手対策のオーダーを考えることが出来ます。そのため、オープナー等によって2番手投手に全く傾向の違う投手を起用すれば、その対策を無力化することが可能になります。

 

・相手が慣れる前に小刻みに継投して、「慣れ」のリスク軽減

数打席立って、それなりにボールを見れば、プロであればよっぽど相性悪くない限り対応していきます。その効力を消すメリットもあります。

 

 

〈デメリット〉

・複数人起用する分、不調の投手が登板してしまうリスクは高まる

この戦術はどうしても起用する投手が増えてしまうので、その全員が好調という確率は当然低くなります。打者が数人不調でも得点は可能ですが、投手ひとりが不調だと試合が壊れかねないので、このリスクというのはそれなりに大きいものだと思います。

 

・リリーフの更なる酷使に拍車がかかるおそれ

起用人数が増えるということは当然登板数が増加します。リリーフ投手だって投げさせ過ぎたら壊れます。投手の起用延べ人数が史上最多らしいですからちょっと心配ですね余談ですがライオンズの平井投手も心配です。

 

 

 

 

2.今季のファイターズの戦略評価

それでは、今季のファイターズのショートスターター・オープナーが戦術として有効だったのか検討していきたいと思います。もっとも、サンプル数的に統計としては有意と言えないものですから、あくまで「そんな傾向があるかもなぁ」くらいに捉えていただければ幸いです。

 

さて、今回の検討事項としては、次のような観点から考えていきたいと思います。それは、①チームの勝敗への影響、②チーム防御率の影響、③初回の失点は防ぐことができたのか、の3点です。まず①については、そもそも勝つためにやっているわけですから、オープナーによってチームが勝てているのかという検討です。次に②は、①とも関連するものではありますが、チーム防御率は良化するのか見てみます。このとき、防御率はリリーフ投手も含めた防御率です。最後に③は、オープナーのメリットとして挙げられる初回の失点の回避が見られるのか、の検討です。そして、どの試合でオープナーやったのかとかを全試合判断するのは途方に暮れるので、今回は加藤投手と堀投手の先発試合に絞り、そのうちショートスターター・オープナーが採用されたであろうと思われる16試合を「Aグループ:オープナー等」とグループ化して調査対象としました。加藤投手については、オープナー等ではなく普通に先発として投げている試合もあるようなので、データに含むか否か非常に悩ましいものもありましたが、基本的にオープナー等に絞ったつもりです。

また、オープナー等の効果の程度を検討するために、オープナーじゃなかった試合についての①~③のデータを、「Bグループ:有原・上沢」「Cグループ:金子・杉浦・ロドリゲス」「Dグループ:それ以外」と区分してまとめています。Bグループは「エース格」、Cグループは「ローテーション格」、Dグループは「1、2軍の当落上」、といったイメージです。B~Dグループについては、オープナー等が採用されたと思われる試合はデータから除外しています。

 

以上の条件からまとめたデータがこちらです。

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まあグループBについては、そりゃ有原投手と上沢投手が投げたわけですし、成績もかなり良いです。そして、グループAとグループCですが、勝率・防御率ともにCのほうが良いですね。しかし、勝敗の貯金・借金でいえばほぼ変わりません。また、防御率もグループAについては4月6日にライオンズ相手に16失点した試合が含まれていて、その影響もあるように考えられます。とすれば、そこまで大きな差はないのではないかと。また、注目してほしいのは、初回失点可能性です。これは明らかにグループAが良くて、やはり「初回の失点を防ぎやすくなる」というのは当たっているようです。グループDというのは、例えば上原投手や吉田輝星投手あたりが該当するわけですが、そういった投手を起用するよりはオープナー等の戦術(グループA)のほうが勝ちやすいようです。

 

以上から、オープナー戦術は一定の効果を得られていたと考えた方がよさそうです。 

 

 

 

 

3.個人的に考える改善点

・ショートスターター採用の回数は減らしたい

有原投手以外の先発を見ると、上沢投手が復帰し、マルティネス投手も残留希望ということですから今季よりは先発投手の駒が増えていると思われます。また杉浦投手も後半戦の起用を見る限り、来季いよいよローテーションとして期待されます。有原投手以外ほぼショートスターターという状況からは脱することができそうです。

 

・上記のグループAとグループCの組み合わせを作るイメージ

立ち上がりの悪さについては金子投手とロドリゲス投手に比較的見受けられた特徴でした。そういった投手が5~6イニングを2番手で行ければいいのでは、という風に感じます。そのとき、1番手には1イニングだけやってもらう形になるので、リリーフ専門職の投手でも務められるのではないでしょうか。こちらがオープナーですね。

また、加藤投手が1巡であればかなり期待を持てて、村田投手がロングリリーフで結果を残していたこと、この両者のタイプが異なることを踏まえると、この2人を組み合わせて3イニングずつ、みたいなことも考えられると思います。こちらがショートスターターといったところでしょうか。

 

 

 

 

ということで、簡単な考察を終えたいと思います。ここまで読んでいただきありがとうございます。