Be honest. Be ambitious.

野球好き大学院修了生の頭の中

ありがとう、イチロー選手

野球の歴史にとっても、大きな日でしょう。

皆様、お久しぶりです。mackeyです。

 

本来更新予定はなかったのですが、どうしてもこれは記しておきたいと思ったので、休止中ながら本日に限りブログ更新させていただきます。

 

 

僕の少年時代、ヒーローだった選手を3人挙げろと言われたらおそらく次の選手を挙げるだろう。

まずは、元ヤンキース松井秀喜さん。「1人を挙げろ」と言われたら迷わず松井秀喜さん。僕の心酔っぷりは過去のブログにも何度も書いた気がするのでここで改めて言及することは控えたい。松井秀喜に憧れて、松井秀喜に関する本を読み漁り、松井秀喜になろうとして、バットも松井秀喜モデルを選ぶくらい心酔していたがいつの間にか僕のプレーヤーとしてのアイデンティティは打席ではなくマウンドで表現するようになってたけれど

次は、元ファイターズ・新庄剛志さん。ファイターズの北海道移転とともにやってきて、「札幌ドームを満員にする」「日本一になる」と宣言、見事に有言実行を果たした。最近ファイターズのファンになった方々は想像するのが難しいかもしれないけれど、移転当時は12球団でも1、2を争うくらいの無名球団で優勝はおろかAクラス定着も程遠いチームだった。新庄さんの公言なんて当時は無謀にすら聞こえた。なのに、それを達成してしまったのが新庄さん。新庄さんのおかげで、ファイターズは強豪球団に生まれ変わり、パリーグも生まれ変わった。

そして最後に絶対欠かせないのが、イチロー選手。 

 

 

僕が野球に興味を抱き、野球を観始めた頃には既にメジャーリーガー。身体の大きな選手が揃う中、一際小柄な選手。一見、頼りなさそうにすら映るくらいその差は歴然。 

でもプレーすれば、そんな大きな選手たちの誰よりも凄かった。プレー全てが芸術的だった。美しかった。

どんなコースに投げられても当たり前のように打ち返してしまう。凡打だとしても、その脚のスピードでヒットに変えてしまう。だからいつでも塁上にいた。塁に出れば盗塁を決め、あっという間にホームに帰ってくる。そのスピードは当然守備にも活かされ、どこにフライが飛ぼうともいとも簡単に捕ってしまう。その守備力はいつしか「エリア51」と呼ばれ、メジャーリーガー全員から恐れられていた。

走攻守全てが超一流だったけれど、その中でも最も特徴的だったのが肩。今では強肩を表す言葉として知られる「レーザービーム」は、イチロー選手の送球に驚愕した実況の一言が由来。力強い上にコントロールが正確無比。ライトからサードへのノーバウンドストライク返球なんか当たり前にやってのける。レーザービームは、やがて相手チームのランナーは誰も進塁しなくなった。抑止力こそが強肩の終着点だけど、まさにイチロー選手がそうだった。

数多くの日本人選手がメジャーに挑戦したけれど、打撃タイトルを獲得したのはイチロー選手ただひとり。あの、名門ヤンキースで長らくクリーンナップを務めた松井秀喜さんですら獲れなかった。しかも、渡米1年目にいきなり首位打者盗塁王、更にはアメリカンリーグMVP。シーズン200本安打とゴールドグラブ賞獲得は当たり前のように達成し、気付けば10年連続の達成になっていた。そうやって積み上げてきた実績が、将来のアメリカ野球殿堂入り確実と言われる理由となっている。

そんな偉大な選手に憧れないわけがない。そして真似できそうなところは真似もした。外野手用グローブはイチローモデルを選んだ。そんな野球少年だった人は僕だけじゃないはずだ。

 

2004年シーズン258本目のヒット、2009年WBC決勝の決勝打、日米通算4257本目のヒット、MLB通算3000本目のヒット。世界で一番ヒットを重ねたイチロー選手だから、伝説となって語り継がれるヒットも当然数多い。

そして、近年は長く現役を続けることに強い意志を抱き、「最低でも50歳現役」を目標として掲げていた。NPBでは80年以上の歴史で山本昌さんしか成し遂げたことのないこの目標も、イチロー選手に言われてしまうと達成可能に聞こえてしまう。だからまだまだやるだろう、なんて勝手に思っていた。

そんなイチロー選手が、今年は1本のヒットを打つためにもがき苦しんでいた。そんな中での日本での開幕戦。そして、引退では?という推測の飛び交う報道。今までのイチロー選手なら、ここ最近のような引退報道が出てもきっぱり否定しただろう。でも今回は少し匂わせるようなコメントを残していた。

嫌でも頭の中で「もしかしたら」と頭をよぎった。 

試合後の会見でわかったけど、やはり引退は来日前に決めていたことだったらしい。

 

だから来日後のイチロー選手のプレーはなるべくチェックしていた。最後に目に焼き付けておきたくて。そう思わせる選手こそスーパースターなんだろう。

プレシーズンゲームでは「エリア51」と「レーザービーム」がまだまだ健在だと示してくれた。今日の第4打席のゴロでの全力疾走だって物凄く速い。やっぱりすごい。守備と走塁は錆びついていない。いったいどこが衰えたんだろう。まだまだやれるじゃないか。そう言いたくなった。

でも打撃は明らかに全盛期と違った。イチロー選手の野球人生において、これほど1本のヒットが遠かったことなどあっただろうか。僕は正直、あの09年のWBCのスランプしか思い出せなかった。そして、あの10年前のスランプとも何かが違うように映った。「何本のヒットを重ねるのか」注目されていた選手が「1本ヒットが出るのか」注目されている。今までとは明らかに違う。

走攻守すべてに秀でることを自分に課したイチロー選手にとって、打撃の衰えを隠せなくなった今、まさにイチロー選手にとっての選手としての限界を迎えたのかもしれない。

でも「最低50歳まで現役」を目標に掲げていた選手が、それより5歳も若く引退したけど「後悔などあろうはずがない」と言い切った。イチロー選手は限界まで現役をやり通すことを望んでいて、きっとそれが叶ったんだ。稀代のヒットメーカーがヒットを打てなくなるまで現役を続けた。本当に、全く打てなくなるまで。完全燃焼とはこのことなのかもしれない。

45歳での引退に「有言不実行になってしまった」と会見では言っていたけれど、あまりにもこれまで成し遂げてきたことが偉大過ぎる。その功績に傷が付くことなどありえない。史上最高のリードオフマンかつ、史上最高の外野手だったイチロー選手のプレーをリアルタイムで観ることが出来たのは本当に幸せだった。

 

 

イチロー選手が現役を引退する。永遠にその時は来ないんじゃないかって錯覚していたけど、その日を遂に迎えた。

28年間本当にお疲れさまでした。夢をありがとうございました。