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野球好き大学院修了生の頭の中

ビヤヌエバ選手獲得が嬉しくて、思ったことを書き連ねてみる

12月5日、朝起きたら出ていたニュースについてちょっと思ったことがいくつかあったので、それをまとめてひとつのブログにしました。

 

ちなみにそのニュースはこちら。

www.sponichi.co.jp

…と、休憩がてら少しずつ書いて行こうと思っていたら、同日の昼にはもう公式発表がなされました。

www.fighters.co.jp

ビヤヌエバ選手、ようこそ北海道日本ハムファイターズへ!!!

 

【目次】

 

 

 

1.ビヤヌエバ選手の簡単な紹介

クリスチャン・ビヤヌエバ選手(Christian Villanueva)は、1991年6月19日生まれで現在28歳と比較的若い選手です。

来日初年度となった今季は期待通りの結果とはいきませんでしたが、2018年にはメジャーで384打席に立ち20本塁打と、ハイペースでホームランを量産した打者です。ただそのシーズンは、低打率・低出塁率で三振も多かったです。ちなみにメジャー時代は対左投手でかなり好成績で、2019年は移籍がなければプラトーン起用の予定もあったようです。右の長距離砲として考えてよいです。

守備に関しては本職はサードで、レベルが高いです。おそらくファイターズの誰よりも上手いのではないでしょうか。また、元々ショートを守っていたこともあり、場合によっては二遊間を守る選択肢もあるので使い勝手もよさそうです。

 

2.ファイターズのサード事情

今季のファイターズはとにかくサード不在状態で苦しみました。打力で他チームより劣る上に、なんと1年間で25個ものエラーがサードで生まれてしまいました。獲得が実現すれば、仮に打てなくてもビヤヌエバ選手の方が守備上手いだろうな、という状況です。また、長打力を持ち合わせているという点でも、ファイターズに足りない部分を補える選手と言えるでしょう。いわゆるピンズド補強といっていいと思います。

低打率長打マン・守備に定評、なんか幕張のSUSHI BOY思い出してきませんか…?笑

 

3.レアード選手獲得時との類似点

そう、タイプがレアード選手と似ているように思えるんです。

また、ポジション争いの対抗馬となる選手についても似ているところがあるように思えます。まず、レアード選手加入の2015年ですが、前年までレギュラーだった小谷野選手が移籍しました。そして小谷野離脱時は本来キャッチャー(当時)の近藤選手がサードに就いていました。それ以外の選手というと特におらず、サード不在という危機的状況でした。結果的にレアード選手はほぼフル出場しています。

そして今年のファイターズのサード事情を考えても、出場機会が多かった中で石井選手と平沼選手は本職がショート、近藤選手は本職不明で少なくともサードでないことは明らか(多分レフト)で、本職サードなのは横尾選手・淺間選手くらいでしょうか。このふたりのうち、淺間選手についてはまた外野もやるでしょうし(西川選手移籍に備えての準備)。となると、2015年にレアード選手を辛抱強く起用したように、ビヤヌエバ選手を辛抱強く起用したところでマイナスは生じない可能性があるんですよね。その点を踏まえて獲得に動いているのかな、と。たしかにビヤヌエバガチャ外れたところで金銭面以外にダメージはなさそうなんです。

 

4.横尾選手への期待度

さて、ここで2015年との違いを考えてみると、本職がサードで、既に出場機会をそれなりに与えられている選手がいるという点です。それが横尾選手です。しかも横尾選手もタイプとしては右の長距離砲で、ビヤヌエバ選手と丸被り。

思えば昨季オフ、レアード選手退団となり翌年のサードをどうするかという問題が浮上しました。結果解決できずに終わったんですが。その際、終盤にスタメンとして起用され続けていた横尾選手がいたにもかかわらず淺間選手・大田選手・近藤選手サード挑戦という策をとりました。そしてオープン戦でも恐ろしく打ちまくったにもかかわらず開幕戦のサードのスタメンは淺間選手でした。横尾選手を起用するとあまりにも機動力に欠けるオーダーになってしまうことを危惧してだったのかもしれませんが、淺間選手とのオープン戦の打撃成績の違いを見ると、やはり期待のされ方に大きく違いがあると推測されます。

もしかしたら、横尾選手を軸に、トレードを画策していることもあり得るのかな?という風には感じています。

 

5.「レアードを放出しといてビヤヌエバ?」という意見について

今日、かなりの数こんなコメントを目にしました。たしかにタイプは似ています。ビヤヌエバ選手をレアード選手の下位互換と言うのは違う気がしますが(守備はビヤヌエバ選手のほうが良いのでは?)、その点でのファイターズに対する批判、というものがあります。これについては、①そもそも前提事実を誤っていないだろうか、②仮に放出だとしても合理性はある、という2点の反論が想定されます。

まず①について。「放出」という言葉の捉え方次第とも言えなくはないんですけれども、レアード選手についてファイターズは契約更新の意思はあったとされています。しかし、2016年から攻守ともにパフォーマンスは下降線を辿っていたのが事実です。そのため、16年オフほどの高額なオファーを出すわけにはいかなかったという側面があります。2018年は年俸3億円(推定)ですからね。しかも、移籍先のマリーンズよりもファイターズの方が契約条件は良かったとされていて、こうなってくるとどうすればよかったのか、という話です。最終的には代理人と折り合いがつかなかったということで移籍、というのが真相とされています。放出というのは誤りではないでしょうか。

また②について、これは上記の年俸の話も絡んできますが、選手側の言い値をそのまま払ってでも引き留めるべきなのか、という問題があります。あのホークスですら、福田選手残留のためとはいえ提示額には限界がある、と言っていたわけですから。2016年をピークにパフォーマンスが落ちていた選手だったという事情を踏まえると、今季の復調を見抜けなかったのも無理はありません。ましてや、ファイターズに在籍したままでは更にモチベーションが下降して、更に成績を落とした可能性も十分にあります。

結果的に、上記の批判は的外れではないかと個人的には思います。

 

6.「バレンティン獲れよ」はたしかに一理ある意見だけど

もうひとつ目についたのは、ホークス移籍と言われているバレンティン選手の獲得を目指すべきだった、という意見。たしかに日本での実績は十分、長距離砲の代表的選手でもあり、獲得できるならしておきたい選手ではあるかもしれません。

ただ、バレンティン選手よりビヤヌエバ選手を選んだとしても、合理的な判断のようには思えます。ここは様々な要素を総合的に比較衡量して判断してみたいと思います。

まず、打撃。ここはたしかにバレンティン選手のほうが期待はできるでしょう。100人中100人がバレンティン選手のほうが打てると思っているでしょう。9年間で8度のシーズン30発ですからね。ただ、注意しなければならないのは、バレンティン選手が来季36歳を迎えること。どこで急激な衰えが来るかわかりません。決してビヤヌエバ選手が覚醒する根拠があるわけではありませんが(なんならセリーグより速球派のピッチャーが多いパリーグというのに不安を覚えている)、バレンティン選手が打撃不振になってしまえば何もプラスがなくなってしまいます。

続いて守備面ですね。これは間違いなくビヤヌエバ選手のほうが優れています。内野、特にサードを高いレベルで守れる上にショートやセカンドもメジャーで経験しているわけですから。一方バレンティン選手のレフト守備はご存知の通りです。それでいて守りたがります。DH起用に首を縦に振ればいいですが、それを拒否したとしたら非常に頭を悩ませることになるでしょう。

そして、年齢面では先程述べた通りビヤヌエバ選手のほうが若く、年俸面も、バレンティン選手は高すぎます。

更に、チーム事情を考えた時にどうか、という点です。バレンティン選手が仮に入団したら、競合するポジションはレフト(場合によってはDH)となります。このときポジション争いに影響が出てくるのが近藤選手・中田選手・王選手といった既に1軍の主力としてカウントしている選手らになるんです。外野手は他のポジションと比べたらそこまで穴ではないです。バレンティン選手をレフト起用することで得られる攻撃力と失う守備力を考えると、本当に総合的に考えてプラスに大きく振れるのか、ちょっと疑問です。これに対してビヤヌエバ選手の場合はサード争いということになるのですが、サードは悲しいことにライバル不在状態と言っていいでしょう。まず守備面では確実にプラスです。そして攻撃面で仮に不振のままであっても、他のサードを守る選手も似たような成績に終わっているわけですから、マイナスは生まれません。

こうやって考えると、ビヤヌエバ選手のほうが補強ポイントに綺麗に合致しているとは思います。もちろんバレンティン選手獲得なんてできるのであれば泣いて喜ぶレベルではありますけどね笑

 

7.改めて驚かされたファイターズの情報管理

今回、「獲得調査」といった記事が出回ってから数時間後には獲得発表がありました。同じく今季オフに獲得したバーヘイゲン投手についても同じことが言えます。思えば、昨年オフもそうでした。複数球団が興味を示し、調査していると報道がなされた王柏融選手についても、ポスティングの優先交渉権獲得が発表されるまで、ファイターズが関心を示しているといった話は一切流れてきませんでした。金子弌大投手についても、関心を示している報道がなされてからあっという間に獲得が発表されました。

他球団であれば、選手獲得に向けた動きについてよく報道が流れていますが、ファイターズの場合そういったことがほぼありません。情報が流れたとしたら、それは大筋合意にまでたどり着いているタイミングなのでしょう。たとえばバレンティン選手なんていつになったらホークス入団決まるのよ、ってくらいまだ決まっていません。

ここまで話が漏れないチームというのも、この現代社会において特異なものだな、と感心させられます。地方であるが故にマスコミのマークが薄い面もあるのかもしれませんが、情報がモノをいう現代において情報統制のレベルの高さは必ず武器となるでしょう。

 

8.最後に、ビヤヌエバ選手に期待したい成績

理想を言えば、同じく日本球界を経験してからファイターズに入団したセギノールのように打率.300の40本塁打、みたいなことやってくれれば文句なしですが、まあどうなるでしょうか笑

現実的なところを言うと、年間通して6番サードあたりを担ってくれれば、という風に思っています。中島選手と三遊間を組むことになれば、かなり鉄壁の三遊間になると思うので物凄く楽しみです!また、打撃全振りオーダーでサード近藤・ショートビヤヌエバなんてことも…?

いずれにせよ、ビヤヌエバ選手のプレーに期待したいです!

 

同級生の今シーズンを振り返る2019

今季は残念な成績に終わったファイターズ。僕と同世代である、93年度生まれの選手たちもほとんどが不完全燃焼に終わってしまったという苦しいシーズンでした。戦力外の選手も出てしまいました。

そんな93年組も今年度で26歳。もはや若手ではありません。すっかり中堅です。ファイターズ学園2年F組です(ファンフェスのあれ)。そんな93年組の今季を振り返り、来季に向けて期待を込めつつ、ブログにしました。

 

【目次】

 

 

 

 

12.松本剛選手(11年ドラフト2位)

得られた出場機会、たった4試合。与えられた打席、たった3打席。そしてシーズン途中に右肘手術。きっと本人も相当悔しい残念なシーズンだったことでしょう。同期入団の近藤選手と上沢選手はファイターズで欠かせない存在になり、移籍した石川慎吾選手もジャイアンツで存在感を発揮しています。どうかまたスポットライトが当たってほしいととにかく思っています。

特に「2番・松本剛」の復活を僕は期待しています。2017年の活躍は、数字以上の貢献をしてくれた印象を残したものでした。昔の野球はつなぎさえできれば良し、というのが2番でしたが、今は打てなければならないというのが共通認識になりつつあります。でも、つなぎが全くできないよりはできるに越したことはありません。それが出来ていたのが松本選手でした。中距離打者として、打ってよしつないでよしの選手としてどうか復活することを祈っています。

 

8.近藤健介選手(11年ドラフト4位)

最高出塁率のタイトルは獲得しました。しかし、昨年と比較するとほぼ全ての部門で成績を落としました。打率.302は、近藤選手の基準で考えればですが、不振と言っていいでしょう。この数字が不振と思えることが、近藤選手の凄さだとも思いますが。

何と言ってもやはり「4割に最も近い男」、首位打者獲得は何が何でも成し遂げてもらいたいと思います。ポジション問題はありますが、これだけの打力のある選手がメンバーに名を連ねるのは当然ですので、主軸として活躍してもらいたいです。小笠原コーチからの指導で覚醒するなんてことがあるといいな…笑

 

15.上沢直之投手(11年ドラフト6位)

調子が上がらない中でも最低限試合は作り続けていたのでこれで上沢投手は安泰だろう、と思いました。しかし、不運な怪我によりシーズン終了。その怪我も今後の選手生命に響きかねないものです。やりきれない思いが強いと思います。どうか、来季は先発の柱としてふたたび輝いてほしいと願っています。

有原投手は、来季同じような成績を残したらエースとして認められるでしょう。ですが、上沢投手もそのくらいやってほしい投手です。今、エースの座を争っているのはこの2投手ですが、両投手が揃って活躍したことはまだありません。この2人が揃って活躍できれば、優勝も見えてくるはずです。

 

20.上原健太投手(15年ドラフト1位)

昨季後半のピッチングは覚醒を予感させるもので、その期待も込められてか開幕当初は先発ローテーション投手でした。しかし、その期待も虚しく、期待に応えられませんでした。左の即戦力投手である河野投手も入団しますし、来季さらに大変な勝負となるでしょう。

これだけの長身の左腕は大変珍しいので、なんとかものになってほしいと思う気持ちはあります。しかし、異常な身体能力の高さを誇るので、どうしてもコンバートで一発当たらないかなんてことも頭にちらつきます…

 

29.井口和朋投手(15年ドラフト3位)

登板数はやや物足りませんが、2年連続で好成績でした。ブルペン陣で休養させたい投手がいたときにはセットアッパー・クローザーとして試合の終盤を任されることもありました。

井口投手の特徴としては、四死球が少なく、無駄なランナーは出ないという点です。BB/9もWHIPも入団当初からずっと良い数値を叩き出しています。フルシーズン戦えることを証明できれば、更に重要なポジションを任されることも増えると思います。

 

47.田中豊樹投手(15年ドラフト5位)

昨年の悲劇の「4.18」のある意味立役者となってしまい、その後はほぼ登板機会がありませんでした。ファームでも奮わず戦力外通告となってしまいました。

ストレートは威力満点だったのですが、それ以外に武器が欲しかったといったところでしょう。ジャイアンツが育成枠での獲得を検討していたという話も出ていました。武器は明確にある投手なので、現役続行が叶えば何かを掴んで活躍することもあるかもしれません。

 

58.横尾俊建選手(15年ドラフト6位)

今年なぜここまでチームが苦しんだのか、その主要因のひとつは横尾選手の不振にあったように感じます。攻守ともに非常に残念な結果に終わり、最後まで長打力不足・サード不在の課題は解決しませんでした。これは横尾選手が本来の実力を発揮できれば横尾選手ひとりで解決できたはずのことだと思っています。

年々成績は悪化してしまっていますが、長打力はもちろん、ハンドリングとスローイングの良さも横尾選手の特長です。ポテンシャルを考えると、札幌ドームが本拠地であることを考慮しても30本塁打は打ってほしいところです。

 

59.吉田侑樹投手(15年ドラフト7位)

なんだろう、何がいいのかわからないけどちょっと抑えたりするんですよね。本当によくわからない。なんとなくわかったのは、おそらく先発のほうが向いているのだろうということくらいでしょうか。正直リリーフの際はバッティングピッチャーのように打たれていた印象が強いです。

とにかく不思議な投手ですが、逆に打ちづらさがそこにあるのかもしれません。でもそれだと敗戦処理のときのあの火だるまっぷりが説明できないわけで……。性格もですが、本当に不思議な投手です。

 

35.西村天裕投手(17年ドラフト2位)

リリーフとして、もう少し防御率の改善と登板数の増加は欲しいようにも思えますが、自分の武器を発揮はできたと言っていいでしょう。K/9が11.08と極めて高いのは、リリーフ投手としては大きな魅力です。

井口投手と同じく、いわゆる「Bチーム」(吉井さんの言葉を借りれば)の投手です。井口投手もですが、もう一歩の成長でAチーム入りできそうな投手だと思っています。リリーフであれば、来季こそ50登板は達成したいところです。

 

99.王柏融選手(18年オフポスティングシステム行使により移籍)

1年目はある程度は苦労しそうだと思いましたが、ここまで苦労するとは……というのが率直な感想です。ただし、6月までは打率も3割前後を残していて、7月に負傷があったことでの不振だと思いますし、来季はもっとやってくれそうです。

打撃が注目されがちですが、走塁もレベル高いです。レフト守備も実は近藤選手よりもデータ上良かったり……なんてことも。今季を見て既にハズレ外国人扱いしている人たちも多い気がしますが、不振の理由には怪我もあるでしょうからまだ判断するには早いと思いますよ。

 

30.宇佐見真吾選手(19年シーズン中トレードにより移籍)

打撃を買われてのトレード入団でしたが、終わってみれば打撃不振に苦しむも守備面で文句なしでした。守備こんなに良いんですね。1軍レベルのキャッチャーとして考えていいでしょう。今後も清水選手との正捕手争いでお互いに高めあっていけると理想的かなと思います。あのトレードは鍵谷投手もジャイアンツで活躍しましたし、win-winでしたね。

とはいえ、やはり本来注目されていたのは打撃。2017年の印象が先行しすぎているのかもしれませんが、もう少し打てるような気はしています。

 

なんかいきなりいろんな情報が入ってきたのでいったんまとめます

ざっくりまとめてます!

【目次】

 

 

1.ドリュー・バーヘイゲン投手入団

新外国人投手の獲得です。今季はデトロイトタイガースでプレーし、地元紙によれば来季のロースターに残すべきと言われていたようです。助っ人が活躍するかは正直賭けみたいなところはありますが、前評判は上々。期待したいですね。

 

 

2.西川遥輝選手キャプテン就任

中田翔選手に代わり、キャプテンに就任することとなりました。元々、中田選手キャプテン就任の際も実は最有力候補として名前が挙がっていた西川選手。来季はキャプテン西川選手、選手会長中島選手という「ハルタク」コンビの体制となりました。

 

 

3.西川遥輝選手来オフポスティングシステム利用の意向表明

来季、国内FA権取得が濃厚で動向が注目されていた西川選手ですが、来季限りで国内他球団ではなくMLB球団への移籍となる可能性が出てきました。現時点でポスティングを認めるかは未定とのことですが、ファイターズはポスティングによる移籍を認めやすい傾向にあるため、今回も許可は出るのではないかと思います。球界歴代ナンバーワンでは?とまで言われる盗塁・走塁を武器にMLBで活躍する姿は見てみたいですね。

 

これぞスター。新庄剛志「選手」、現役復帰を目指すと宣言

さて、今日はもうひとつ更新です。

www.nikkansports.com

昨日、こんなニュースが飛び込んできました。

新庄剛志「さん」…?プロ野球復帰を目指してトレーニングを開始したのであれば新庄剛志「選手」と呼ぶべきでしょうか。ここは新庄剛志「選手」と呼ぶことにします。

 

久しぶりにこんなわくわくするニュースを見た、というのが第一感です。あの新庄選手が野球を再び始める。ファイターズを移転当時から追ってきた人間としては、新庄選手の存在はあまりにも偉大です。森本稀哲さん・陽岱鋼選手・西川遥輝選手とファイターズのセンターはスターの系譜だと言って差し支えないと思いますが、やっぱりファイターズのセンターといえば「SHINJO」なんです。

普通なら47歳となった人間の現役復帰宣言なんて「どうせリップサービスかなんかだろう」とか「また変なこと言ってるわ」なんて片付けてしまう気がするんです。でも、これが「本気」だと思ってしまう、本当に目指す気なんだろうってこっちが思ってしまうのが新庄選手なんですよね。だって今までの新庄選手を振り返ってみてください。「オールスターでMVPを獲得する」と宣言したら、まさかの単独ホームスチールを決めて有言実行。そのお立ち台で「これからは、パリーグです!」と宣言してから15年が経ち、その通りになっちゃった。「札幌ドームを満員にする」「ファイターズを日本一にする」と入団会見で掲げた目標は、どちらも2006年に現実のものに。このどれもが、当時は現実に起こるとは思えなかったものばかりでした。

 

新庄選手は、自身のインスタグラムの投稿においても、「頑張るって言葉をこの世からなくしてほしい」とか「好きなことに対して挑戦してるんだから頑張ってない楽しんでる好きな事じゃなかったらしなきゃいい」などと述べています。この言葉は、僕にとっても目が覚めるような言葉でした。今やってる勉強だって、たしかに今は必要に迫られている部分もありますが、元々はその分野に惹かれて始めたことです。また、点数という形で目に見える達成感があるから試験は好きでした。そして何より、競争して勝つということが大好きです。今やっていることは、よくよく思い返せば自分の好きな事でした。

結局楽しんでる人って強いんですよ。試験とか勉強でも。強みを出すために楽しもうとするってのはなんか違う気もしますが、楽しさを思い出すのはありかもしれません。

新庄選手のおかげでなんか合格できそうな気がしてきています(単純)。「みんなも、何か挑戦しようぜ」という新庄選手からのメッセージ。すごく勇気もらえています。僕も挑戦やめません。ただ、意識は変えます。今の状況を楽しみます。

 

僕もこうやって新庄選手からの影響を受けています。

そして、つくづく思います。

 

やっぱり新庄剛志はスターだ。

藤井聡太七段、史上最年少タイトル挑戦に王手

昨日こんな記事を更新したのですが、対局が行われましたので続報です。 

mackey5baseball5f.hatenadiary.jp

対局については、藤井聡太七段の完勝でした。しかも、苦手としていたはずの久保九段相手に、です。

 

【目次】

 

 

 

 

1.現在成績

久保九段 1勝4敗(リーグ陥落確定)

糸谷八段 1勝3敗

広瀬竜王 4勝1敗(リーグ残留以上確定)

豊島名人 3勝2敗(リーグ残留確定)

羽生九段 3勝2敗

三浦九段 1勝4敗(リーグ陥落確定)

藤井七段 4勝1敗(リーグ残留以上確定)

 

本日の対局によって状況がどう変化したのかまとめます。

①本日の対局で藤井七段が久保九段に勝利し、藤井七段は4勝1敗の同率1位でリーグ残留確定となりました。ちなみに17歳のリーグ残留は史上最年少記録のようです。

②一方、久保九段は1勝4敗となりリーグ陥落が決定しました。前王将が1年でリーグ陥落と、王将リーグの厳しさを痛感する結果となりました。

③また、豊島名人のリーグ残留も確定しました。現時点で3勝3敗となる可能性があるのは糸谷八段、豊島名人、羽生九段の3名ですが、仮に勝敗が並んでも前年度のシード順位の関係でリーグ陥落は羽生九段となります。そのため豊島名人は今後の結果にかかわらず残留が確定です。

④更に、羽生善治九段は平成元年の竜王戦から平成30年の名人戦棋聖戦竜王戦まで30年連続で何かしらのタイトル戦に出場していたのですが、今年度のタイトル戦出場の可能性が消滅しました。

 

 

 

 

2.今後どうなるか

王将リーグの状況をまとめるとこのようになります。

渡辺明王将(棋王棋聖)への挑戦者をめぐる争いは広瀬竜王と藤井七段の直接対決によって決着、という劇的な展開になりました。広瀬竜王が挑戦者となれば、王将戦初挑戦であり、仮に竜王失冠となった場合は王将獲得によって九段昇段です。藤井七段が挑戦の場合は最年少タイトル挑戦記録を更新することとなり、獲得の場合ももちろん史上最年少タイトル獲得となります。

両者の公式戦の対決は1度だけあります。それが朝日杯将棋オープン戦の決勝で、藤井聡太五段(当時)が一般棋戦初優勝を成し遂げ話題になったときです。とはいえ持ち時間がまるで異なる対局ですから、あまり参考にならないでしょう。なお、その日は平昌五輪の時期でもあり、「羽生(善治)が藤井に負け、羽生(結弦)が金メダルを獲得」と「羽生かぶり」で非常にややこしい情報が流れてきたのを覚えています。

ちなみに広瀬竜王は本日のA級順位戦(対羽生)・17日の日本シリーズ決勝(対渡辺)を控え、更には絶体絶命となっている竜王戦(対豊島)が藤井戦のあとすぐ控えているため大変なスケジュールです。羽生→渡辺→藤井→豊島という順に立て続けに対局しなきゃならない広瀬竜王は何か前世で悪いことでもしたのでしょうか……

 

②残留争いの最後の1枠で糸谷八段と羽生九段の争いとなります。糸谷八段が豊島名人に勝利した場合は、19日の直接対決で残留の行方が決定しますが、糸谷八段が豊島名人に負けた時点で羽生九段の残留は確定。つまり糸谷八段は残留のために2連勝しなければなりません。

ちなみに糸谷八段と豊島名人の対局は明日行われますが、両者の対戦成績は豊島15勝糸谷5勝とはっきり差があります。また糸谷八段と羽生九段の対戦成績は羽生10勝糸谷7勝と、対羽生九段の成績にしてはかなり善戦ですが、糸谷八段にとって不利な状況であることには変わりありません。

 

③久保九段と三浦九段は既にリーグ陥落が決定しています。両者の対局が残っていますが、両者の対戦成績は久保14勝三浦13勝となっており互角です。

 

 

 

 

この記事も参考までにどうぞ

藤井聡太七段、明日勝てばタイトル挑戦に大きく前進

現在、将棋のタイトル戦のひとつである「王将戦」にて、挑戦者決定リーグが開催されています。このリーグの勝者が、現在王将というタイトルに在位している渡辺明三冠への挑戦権を手に入れます。

今回このリーグが注目されているのには、大きく2つの理由があります。ひとつは、藤井聡太七段の史上最年少タイトル挑戦・獲得が懸かっていること。もうひとつは羽生善治九段の通算タイトル100期が懸かっていること。このふたりが今期は王将リーグまで勝ち進んでおり、タイトル挑戦権は誰が手に入れるのか注目されているところです。

ちなみに挑戦者決定リーグという形式を採っているタイトル戦は「名人戦(リーグは順位戦と呼びます)」と「王位戦」と「王将戦」の3つとなっています。順位戦はA級の10名の中から1人が挑戦者・2人がA級から降格という形です。王位戦リーグは12名で紅白リーグ6名ずつ(なんかNPB12球団みたい)に分かれて争います。それに対して王将リーグはたった7名で争います。そのため王将リーグはタイトル戦の中でも最難関リーグとして知られています。今期の王将リーグは6名が現在順位戦A級かつタイトル経験者というトップ棋士が勢ぞろい。そこになんと藤井七段が加わったことで話題となりました。ここを勝ち抜いてタイトル挑戦なるか、という点が最大の注目ポイントとされています。

そんな王将リーグも佳境を迎えており、現在の状況を整理したいと思います。

 

【目次】

 

 

 

 

 

1.現在

⑴成績

久保九段 1勝3敗

糸谷八段 1勝3敗

広瀬竜王 4勝1敗(リーグ残留以上確定)

豊島名人 3勝2敗

羽生九段 3勝2敗

三浦九段 1勝4敗(リーグ陥落)

藤井七段 3勝1敗

広瀬竜王が一歩リード、藤井七段が追う展開です。

 

⑵残り対局カード

ⅰ 久保九段・藤井七段

ⅱ 久保九段・三浦九段

ⅲ 糸谷八段・豊島名人

ⅳ 糸谷八段・羽生九段

ⅴ 広瀬竜王・藤井七段

このうちⅰのカードは明日対局予定です。実はこのカード次第で、今後のリーグの展開が大きく変わることになります。そのため、ⅰの勝者がどちらになるか、それぞれの場合を整理したいと思います。

ちなみにですが、久保九段と藤井七段の対局成績は久保九段から見て3勝1敗と、久保九段が勝ち越しています。藤井七段が挙げた1勝は今年の竜王戦決勝トーナメントでの対局でした。

 

 

2.久保藤井戦で藤井七段勝利の場合

⑴成績

久保九段 1勝4敗(リーグ陥落)

糸谷八段 1勝3敗

広瀬竜王 4勝1敗(リーグ残留以上確定)

豊島名人 3勝2敗(リーグ残留)

羽生九段 3勝2敗

三浦九段 1勝4敗(リーグ陥落)

藤井七段 4勝1敗(リーグ残留以上確定)

 

 

⑵この場合のリーグの行方

①挑戦者は広瀬竜王か藤井七段のいずれか。両者の直接対決で決着。藤井七段勝利の場合は最年少挑戦者記録を更新。

②糸谷八段が豊島名人と羽生九段に勝利すると、3勝3敗で3名(糸谷・豊島・羽生)が並ぶ可能性がある。

ア 3名が勝敗で並んだ場合は糸谷八段と豊島名人が残留。

イ 豊島名人は藤井七段の勝利に伴い残留が確定する。

ウ 羽生九段は自ら糸谷八段に勝利するか、豊島名人が糸谷八段に勝利するかいずれの条件でも残留が確定。つまり糸谷八段は2連勝以外に残留の可能性がない。

 

 

3.久保藤井戦で久保九段勝利の場合

⑴成績

久保九段 2勝3敗

糸谷八段 1勝3敗

広瀬竜王 4勝1敗(リーグ残留以上確定)

豊島名人 3勝2敗

羽生九段 3勝2敗

三浦九段 1勝4敗(リーグ陥落)

藤井七段 3勝2敗

 

⑵この場合のリーグの行方

①広瀬藤井戦で広瀬竜王が勝利の場合

挑戦者は広瀬竜王。残留は他の3局(上記ⅱ・ⅲ・ⅳ)の結果次第。8通りが考えられる。

A. 勝者がⅱ久保九段・ⅲ糸谷八段・ⅳ糸谷八段

→残留は久保九段・糸谷八段・豊島名人。つまり前期と同じ

B. 勝者がⅱ三浦九段・ⅲ糸谷八段・ⅳ糸谷八段

→残留は糸谷八段・豊島名人。羽生九段と藤井七段で残留プレーオフ

C. 勝者がⅱ久保九段・ⅲ糸谷八段・ⅳ羽生九段

→残留は久保九段・豊島名人・羽生九段

D. 勝者がⅱ三浦九段・ⅲ糸谷八段・ⅳ羽生九段

→残留は豊島名人・羽生九段・藤井七段

E. 勝者がⅱ久保九段・ⅲ豊島名人・ⅳ糸谷八段

→残留は久保九段・豊島名人。羽生九段と藤井七段で残留プレーオフ

F. 勝者がⅱ三浦九段・ⅲ豊島名人・ⅳ糸谷八段

→残留は豊島名人・羽生九段・藤井七段

G. 勝者がⅱ久保九段・ⅲ豊島名人・ⅳ羽生九段

→残留は久保九段・豊島名人・羽生九段

H. 勝者がⅱ三浦九段・ⅲ豊島名人・ⅳ羽生九段

→残留は豊島名人・羽生九段・藤井七段

 

②広瀬藤井戦で藤井七段が勝利の場合

同じく8通りの勝敗結果が想定される。

a. 勝者がⅱ久保九段・ⅲ糸谷八段・ⅳ糸谷八段

→広瀬竜王と藤井七段で挑戦者決定プレーオフ。残留は久保九段・糸谷八段

b. 勝者がⅱ三浦九段・ⅲ糸谷八段・ⅳ糸谷八段

→広瀬竜王と藤井七段で挑戦者決定プレーオフ。残留は糸谷八段・豊島名人

c. 勝者がⅱ久保九段・ⅲ糸谷八段・ⅳ羽生九段

→広瀬竜王・羽生九段・藤井七段で挑戦者決定プレーオフ。残留は久保九段

d. 勝者がⅱ三浦九段・ⅲ糸谷八段・ⅳ羽生九段

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e. 勝者がⅱ久保九段・ⅲ豊島名人・ⅳ糸谷八段

→広瀬竜王と豊島名人で挑戦者決定プレーオフ。残留は久保九段・藤井七段

f. 勝者がⅱ三浦九段・ⅲ豊島名人・ⅳ糸谷八段

→広瀬竜王と豊島名人で挑戦者決定プレーオフ。残留は羽生九段・藤井七段

g. 勝者がⅱ久保九段・ⅲ豊島名人・ⅳ羽生九段

→広瀬竜王と豊島名人で挑戦者決定プレーオフ。残留は羽生九段・藤井七段

h. 勝者がⅱ三浦九段・ⅲ豊島名人・ⅳ羽生九段

→広瀬竜王と豊島名人で挑戦者決定プレーオフ。残留は羽生九段・藤井七段

 

 

以上のとおりとなっています。参考までにどうぞ

将棋に興味を抱いたことで、村山聖九段の生涯を知った~「聖の青春」感想

突然の質問だが、皆さんは本を読むだろうか。僕は、この年になってやっと読むようになった。といっても、ジャンルは限られていて、基本的にはノンフィクションの類いや、その人の考えとかがまとめられている自己啓発本の類いだったりである。

 

図書館という「知の宝庫」が身近に存在するというのはとてつもない財産なのだと、この年齢になって感じるようになった。図書館にはありとあらゆる本が置かれている。本というのは、その著者であったり、あるいはフォーカスされた人物と、直接出会わずとも対話を可能にする素晴らしいツールだと僕は考えている。例えば、「論語と算盤」を読むことで渋沢栄一からたくさんのことを教わることができるし、「我が闘争」を読めばヒトラーがナチズムへ走っていった理由の片鱗を掴むことができるかもしれない。最近だと、「直観力」という本を読んでいて、それによって将棋界の頂点に君臨する羽生善治の天才たる所以に触れることができている。本にはその人の思想がにじむ。そこから著者の持っていた意思を読み取るのである。

それにしても、小学生の頃など図書室に行く時間があれば身体を動かしたいと考えていた僕がこうも価値観が変わるとは…と我ながら驚かされる。しかし、素晴らしいツールなのだから、今から使い始めても遅くない。

 

 

ところで僕は、おそらく知識欲が人一倍強い。わからないものや理解できないものがあると、知りたくなって仕方がない。

そのひとつが「将棋」である。

将棋では、相手の指す手を「読む」ことが要求される。その「読む」という作業は、一体どのような思考過程を経てなされるものなのだろう、と興味を抱いたのが始まりだった。駒の動かし方はわかっていた僕は、ネット将棋や詰将棋に挑戦してみた。駒の動かし方がわかるなら、手順も必然的に定まるはずだ。そんな軽い気持ちで対局をしてみるものの、実際にやってみるとまるで勝負にならない。いつの間にかこっちの手が潰されている。詰将棋も、3手詰になった途端に全く解けない。どうやって考えれば答えが出るのだろう。その思考過程を知りたい。そうやって将棋にはまっていった。

そして、将棋にはまっていくにつれて、棋士の人なりに対して興味を抱くようになったり、棋士に対する畏敬の念が深まっていったりした。その畏敬の念を向けている最たる例が木村一基王位かもしれない。 

mackey5baseball5f.hatenadiary.jp

木村王位については先月ブログで記した通りであり、今僕が目標に向けて頑張る原動力となっている。

このようにプロ棋士に対して興味を抱き、彼らとの「対話」を望んだとき、僕は「本」を手に取る。今回は、その中でもどうしても読みたかった1冊についての話である。

 

 

 

「聖の青春」

このタイトルは、聞き覚えのある人もいるのではないだろうか。というのも、これは3年前に松山ケンイチさん主演で映画化されている作品である。当時は村山聖九段役の松山ケンイチさん、そして羽生善治九段役の東出昌大さんの徹底した役作りも話題となっていた。

この作品は、村山聖九段の生涯を題材とした、大崎善生さんによるノンフィクション小説である。

ノンフィクション小説であるから、当然ながら「村山聖」は実在した人物である。1969年6月15日広島で生まれ、幼少期から腎臓の病気と闘っていた。しかし驚異的なスピードで棋力は成長を遂げ、17歳という若さでプロ入りを果たす。年齢とプロ入りの時期が近い羽生善治九段、佐藤康光九段、森内俊之九段という後の永世タイトル獲得者3名に村山九段を含めた4名が「羽生世代」と呼ばれる黄金世代の中核の棋士となっていく。特に村山九段は「東の羽生、西の村山」と、あの羽生善治と並ぶ存在とされていた。体調不良によってやむを得ない不戦敗がたびたびあったものの、タイトル挑戦や一般棋戦優勝経験もあり、竜王戦1組・順位戦A級まで登り詰めた。癌のため29歳で生涯を閉じたものの、いまだに語り継がれる伝説の棋士となっている。

順位戦A級」まで昇級するというのはどれほど難しいかということを少し説明したい。順位戦というのはピラミッド構造である。名人が頂点に君臨し(現在は豊島将之さんが名人に在位)、順にA級(羽生善治九段はここに在籍)、B級1組、B級2組、C級1組、C級2組という構造になっている(その更に下にフリークラスというものもあるがここでは割愛)。プロ棋士になった者は原則まずこのC級2組に属することになって、最短でも1年に1クラスしか昇格ができない。プロ棋士になるためには奨励会というものを勝ち上がらなければならないが、プロ棋士になれるのは年間に原則4名しかない。そのような狭き門を潜り抜けてプロとなった現役棋士はおよそ170名であるが、A級棋士になるまではプロ入りから最短でも4年かかる。しかもA級棋士は10名しかなることができない。A級棋士というのは、プロ棋士のうち上位1割に満たない棋士が在籍するリーグなのである。A級棋士という身分が特別なのは、八段昇段条件のうちA級昇級のみが唯一のタイトル獲得ではない条件であることからも読み取れる(他はタイトル2期、もしくは竜王1期で八段昇段)。

 

山九段はA級までに10年もせず到達してしまうのだが、僕からすると村山九段の功績というものがあまりにも信じられない。村山九段の病気は体力にダイレクトに響くものであるから、将棋にも悪影響が生じるはずである。しかも、僕がいくら頭を悩ませてもさっぱりわからない難解な勝負でこれだけの結果を残している。それがあまりにも信じられないのだ。なぜこんなことをやってのけたのか。ハンデを乗り越え、目標だった「名人」まであと一歩のところまで登り詰めた要因は何だったのか。

その答えを知りたくて「聖の青春」を手に取った。そこには村山九段の日常生活が鮮明に描かれていた。正直、驚愕した。まず、とにかく将棋ばかり。酒や麻雀といった遊びにも興じてはいるが、それ以外はとにかく将棋さえあればいいっていうほどの生活だった。体調さえよければ、というより多少悪くても毎日のように将棋会館に通い研究していたという。そして、その集中力は特筆すべきで、幼少期からとにかく将棋に没頭していた。時間がないことを自覚していたからこそ、集中力は研ぎ澄まされ、将棋に全てを懸けていたように僕には映った。

大病を患い思うように体力が続かず、幼少期から死と隣り合わせだった村山九段には並々ならぬ覚悟があったのかもしれない。命がけなんて言葉があるが、まさに村山九段は命がけで将棋を指していた。入院していた病院を半ば脱走する形で対局に向かったことも何度もあるようだ。覚悟というものは、どれだけ自分で決めたつもりになっていても意外と弱いものである。しかし、村山九段の覚悟は本当に強いもので、それがトッププロとしての成績を生み出したのだろう。

自分は今、どのくらいの覚悟を持っているのだろうか。改めて自問自答して覚悟を持たねば、と思った次第である。